報道関係者各位
プレスリリース
2025年04月30日
株式会社アイエスエイ
陶磁器の還元焼成の窯内一酸化炭素濃度と
焼成温度を高精度で測定し、
グラフ・データ表示を行う「還元焼成統合管理システム」を開発
東京藝術大学、長崎県窯業技術センターとISAとの
3者共同研究成果を基に開発(特許出願中)
株式会社アイエスエイ(以下 ISA)(東京都新宿区、代表取締役社長:柳原 康慈)は、このたび、陶磁器の還元焼成における焼成窯内一酸化炭素(CO)濃度と焼成温度を高精度で測定し、リアルタイムでデータ表示・グラフ表示を行う「還元焼成統合管理システム」を開発いたしました。2025年4月30日より受注を開始いたします。
製品サイト: https://isa-j.co.jp/momoaya/product/wd300/

本製品は、国立大学法人東京芸術大学(東京都台東区、学長:日比野 克彦)、長崎県窯業技術センター(長崎県波佐見町 所長:小田口裕之)、およびISAの3者による共同研究【陶磁器還元焼成手法の定量化と計測・評価システムの構築】の成果をもとに開発されました。
一般陶磁器の還元焼成において、作品や製品の品質を安定させることを目的としています。
陶磁器の焼成には「酸化焼成」と「還元焼成」があり、釉薬の色や仕上がりに大きな違いが生まれます。特に還元焼成では、ガス窯や灯油窯などで不完全燃焼を作り出し、窯内の一酸化炭素(CO)濃度を一定に保つ高度な技術が求められます。ガス量や空気の取り入れ方、温度調整などが複雑で、経験に基づく職人技が必要とされてきました。
これまで中~大規模の陶磁器事業者では、CO濃度を管理するために各種計測器が導入されていましたが、窯ごとの前処理装置や調整作業が必要で、システム全体として高額となるため、中小企業や美術大学、個人陶芸家にとっては導入のハードルが高い状況にありました。
ISAは本共同研究を通じて、各種窯に対応するガス処理、冷却、除湿、吸引の最適化、さらに複合ガスの分析といった技術的知見を得て、高精度かつ導入しやすい価格帯でのシステム開発を実現しました。
本製品は、ISAがこれまで手がけてきた高温計測システムの延長線上に位置づけられるもので、熟練者の感覚に頼っていた還元焼成のプロセスを、誰でも安定的に再現可能な形で支援します。
<特許出願中> 発明の名称:還元焼成管理システム
【製品の特長】
●還元焼成におけるCO濃度を高精度に測定(0.000~10.000vol%)
●熱電対2ch同時測定(~1768℃)に対応
●ローカル/クラウド両対応でデータの保存・確認が可能
●ガス圧・油圧調整やダンパー開閉の効果を視覚化
●炎色やゼーゲルコーンの状態とCO濃度・累積値との関連づけが可能
●陶磁器や工業用セラミックスの省力化・省エネ化・生産性向上に寄与
焼成温度やカロリー相当量、CO濃度およびその時間累積量データは、計測部のディスプレイでリアルタイムに確認できます。また、設定通過点でのアラート表示も可能です。LAN、Wi-Fi、LTE(オプション)といった通信インターフェースに加え、LoRa無線通信も標準装備しており、ISAの既存センサ(温度・湿度・CO2・低濃度CO)との連携によって、窯や炉周辺の環境・保安管理も統合的に実施できます。さらに、ガス圧や大気圧補正機能を備えたオプションモデルも用意しています。
本製品は、計測ユニット4モデルと前処理ユニット1モデルで構成され、受注は2025年4月30日より開始いたします。計測部の価格は638,000円(税抜)から。納期は2~4カ月を予定しており、年間30~60システムの受注を目指しています。
【製品ラインナップ】
計測ユニット
型番 | 表示部 | 温度 | CO濃度 | 通信機能 | 圧力補正 | フィルタ |
---|---|---|---|---|---|---|
WD300-L1 | LCD | -50~+1768℃ | 0~10.000Vol.% | LAN、Wi-Fi、LoRa、LTE* | 無 | 2段 |
WD300-L1C | LCD | -50~+1768℃ | 0~10.000Vol.% | LAN、Wi-Fi、LoRa、LTE* | 有 | 2段 |
WD300-M1 | 7inch TFTモニタ | -50~+1768℃ | 0~10.000Vol.% | LAN、Wi-Fi、LoRa、LTE* | 無 | 2段 |
WD300-M1C | 7inch TFTモニタ | -50~+1768℃ | 0~10.000Vol.% | LAN、Wi-Fi、LoRa、LTE* | 有 | 2段 |
前処理ユニット
型番 | フィルタ | 除湿トラップ | 除湿・冷却 |
---|---|---|---|
WD300-P1 | 1段 | 2段 | ペルチェ電子冷却 |
【製品の仕様】
項目 | 内容 |
---|---|
測定ガス | COガス max 10.00vol% |
COセンサ | NDIRガスセンサモジュール(2ビーム方式) |
吸引ポンプ | ダイヤフラムポンプ(max. 1.0L/min) |
流量計 | 0.1〜1.0L/min |
除塵フィルタ | 1次 5μm、2次 1.0μm、3次 0.2μm |
熱電対計測 | 窯の温度計測用 2ch(デフォルトRタイプ、他各タイプ対応可) 〜1768℃ |
ディスプレイ表示 | 4行20桁LCD (WD300-L1,-L1C) 7インチTFTモニタ (WD300-M1,-M1C) |
ネットワーク | 有線LAN、無線LAN、LoRa無線通信 |
アラーム出力 | 無電圧接点信号出力 2ch |
アナログ入出力 | 4-20mAアナログ入力 2ch 4-20mAアナログ出力 4ch ※オプション |
入力電源 | AC100V〜220V±10% (50/60Hz) |
消費電力 | 約80W |
外形寸法 | 計測ユニット:450(W)×160(H)×400(D) 前処理ユニット:480(W)×945(H)×475(D) |
使用環境 | 動作温度:0℃〜+45℃、周囲温度:0〜90%RH(結露なきこと) |
●受注開始日 : 2025年4月30日
●出荷開始月 : 2025年6月
●年間販売予定数量: 30~60システム
●製品サイト : https://isa-j.co.jp/momoaya/product/wd300/
<会社概要>
株式会社アイエスエイは、ネットワーク技術を中核に据え、「測る」「知らせる」「対応する」「守る」という4つの領域で、製品の開発・販売・サポートを行ってきた1979年創業のITメーカーです。
商号 :株式会社アイエスエイ
代表者 :代表取締役社長 柳原 康慈
所在地 :〒160-0022 東京都新宿区新宿6-24-16 新宿6丁目ビル
設立 :1979(昭和54)年10月
事業内容:以下の製品の開発/製造/販売/保守
ネットワーク警告灯、IoT計測機器、IT機器の自動運転システム、
UPS・PDU等の電源関連装置、遠隔監視装置、
HP、Sun等のリファービッシュビジネス
資本金 :1億円
URL :https://isa-j.co.jp/
E-mail :info@isa-j.co.jp
※文中の社名、製品名、機種名は、各社の登録商標です。 © 2025 ISA Co., Ltd.