
2024年12月、SBC木島平リゾート株式会社が運営を引き継ぎ、グランドオープンしたスノーリゾート ロマンスの神様(旧木島平スキー場)。スキー場の運営には欠かせない降雪機を14台稼働させ、安定した雪質の維持に努めています。
その降雪機の稼働において重要な指標となるのが、湿球温度。気象や空調管理の分野で使われるこの温度指標は、空気中の水分量を考慮したもので、-2.0℃を下回ると雪を作る条件が整うとされています。そのため、スタッフは適切な運転タイミングを逃さないよう、早朝や夜間でも計測器の設置場所へ出向き、温湿度を目視で確認。換算表を用いて湿球温度を算出し、稼働の判断を行う作業を日々続けていました。
「遠隔で温度と湿度が確認できたら…」そんな想いから導入したのが「ももことあやか」。アイエスエイの技術担当が現場の声を聞き、湿球温度を自動算出する仕組みを新たに追加。これにより、降雪の判断が格段にスムーズになり、作業の効率が大幅に向上したと言います。効率的な降雪管理を可能にした「ももことあやか」の導入効果について、SBC木島平リゾート株式会社の鎌島章宏様にお話を伺いました。
導入前の課題
- 現場確認の負担:温湿度を目視で確認する必要があり、早朝や夜間の作業が発生。
- 判断の手間:実測した温湿度から換算表を使い湿球温度を確認するため手間がかかった。
- 作業量の増加:ゲレンデの温湿度確認のための巡回が必要で、スタッフの負担が大きい。
- 無駄な稼働リスク:気温上昇時に降雪機を停止する判断の遅れにより不要な運転が発生する可能性。
導入後の効果
- 遠隔監視の実現:スマートフォンやPCでどこからでも温湿度を確認可能。
- 適切な降雪判断:湿球温度の自動算出により、瞬時に稼働可否を判断。
- 作業の効率化:出勤前に状況を把握し、適切なタイミングで作業開始。
- スタッフ負担の軽減:夜間・早朝の現地確認が不要になり、業務負担を軽減。
- 安定した雪質の提供:最適な降雪管理により、ゲレンデコンディションが向上。
導入の背景
人的コスト削減と、安定した雪質の提供を両立当スキー場では、14台の降雪機を適切に運用し、安定した雪質を維持することが求められています。
降雪機は水(水蒸気)を噴霧し、冷却することで雪を作る仕組みですが、温度と湿度のバランスが崩れると水のまま落ちてしまいます。そのため、正確な温湿度管理と湿球温度の見極めが欠かせません。実際の数値を現地で確認する必要があり、目視による計測が不可欠でした。
毎朝、天気予報で降雪の可能性を判断してから出勤し、まず事務所屋外の温湿度計をチェック。その後、スノーモービルでゲレンデの計測地点へ向かいます。条件が整わなければ、降雪機の稼働を見送ることもありました。また、気温によっては深夜0時から作業を開始することもあります。稼働後も、1~1.5時間ごとに機械の状態や風向きを確認する巡回を行い、刻々と変化する気象条件や温湿度の変動にも常に注意を払う必要がありました。
こうした課題を解決し、より効率的な降雪作業を実現するため、「ももことあやか」の導入を検討しました。
選定のポイント
工事不要、広範囲でも安定した通信が可能「ももことあやか」は、遠隔で温湿度を監視し、湿球温度を自動算出できるシステムであること、スキー場の広範囲にも安定した通信が可能であったことが選定の決め手となりました。他の製品では、アナログな操作や通信距離の制限がある中、「ももことあやか」は(ほとんど唯一)この環境に適応し、スマートフォンがあれば、いつでもどこからでも温湿度を確認できるという点が大きなメリットでした。
これにより、スタッフ全員が自宅や事務所から状況を把握し、情報を共有しながら迅速な判断が可能に。また、工事不要でスムーズに運用を開始できたことも、選定の大きなポイントとなりました。
導入の効果
「ももことあやか」の導入により、降雪機の運用効率が格段に向上しました。
スタッフはスマートフォンやPCを使って、どこからでも温湿度を確認できるため、出勤前に「今日は条件が整っていない」と判断したり、「早めに出勤しよう」といった事前対応が可能になりました。また、一度稼働させても気温が上昇すれば機械を停止させる必要がありますが、導入後は迅速な対応ができるようになり、降雪機の適切な稼働管理による電気代のコスト削減にも期待しています。
さらに、湿球温度の自動算出機能により、降雪タイミングを瞬時に判断できるようになったことも大きなメリットです。現場での負担が軽減されるとともに、作業の精度向上につながっています。
スタッフからも「遠隔で温度を確認できるのは非常に助かる」と高い評価を受けており、スムーズな降雪作業と快適なスキー環境の提供が実現しました。
今後は、測定ポイントの増設も子機を追加するだけで対応できるため、さらなる運用改善を検討しています。また、ゲレンデの風向きなども遠隔で確認できる機能があれば、さらに便利だという声も上がっています。
お客様プロフィール
スノーリゾートロマンスの神様(SBC木島平リゾート株式会社) 様「スノーリゾートロマンスの神様」(旧:木島平スキー場)
「スノーリゾート ロマンスの神様」は、長野県北部に位置し、標高1,351メートルの高社山北斜面に広がるスキー場です。良質な雪質と開放感あふれるゲレンデが魅力で、北陸新幹線「飯山駅」から車で15分とアクセスも良好。標高の高さや北斜面ならではの雪質の良さに加え、自然の地形を活かした全12コースを備えています。コースは初級者から上級者まで幅広く対応し、フリーライドパークや簡単バンクスラローム、キッズ向けウェーブ、こども広場の大型エア遊具など、多彩なエリアを展開。本格的に滑りたい方はもちろん、家族で楽しめるファミリーゲレンデとしても親しまれています。
また、コース下部には複数のゲレンデ食堂があり、バラエティ豊かな「ゲレ食」を楽しめるのも魅力のひとつ。充実した設備とロケーションで、多くのスキーヤーやスノーボーダーに選ばれているスキー場です。
運営会社:SBC木島平リゾート株式会社
取材ご協力:SBC木島平リゾート株式会社 鎌島章宏様
グランドオープン:2024年12月14日
所在地 | 長野県下高井郡木島平村上木島3878-2 |
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ホームページ | https://resortkijimadaira.jp/ |