【デモレポート】瑞浪市 窯業技術研究所で”陶磁器還元焼成管理システム「WD300シリーズ」”のデモを実施しました

瑞浪市 窯業技術研究所 様

瑞浪市デモレポート

美濃焼の産地・瑞浪で、還元焼成管理の見える化について現場の声を伺いました

「WD300シリーズ 陶磁器還元焼成統合管理システム」のデモの様子

岐阜県瑞浪市は、美濃焼の産地として長い歴史を持つまちです。美濃焼は全国の陶磁器生産量の約6割を占めるとも言われ、瑞浪市もその一翼を担ってきました。洋食器の生産も盛んで、白く美しい仕上がりと安定した品質は、国内外から高く評価されてきました。

今回、株式会社アイエスエイでは、瑞浪市窯業技術研究所様のご協力のもと、「WD300シリーズ 陶磁器還元焼成統合管理システム」のデモを実施しました。当日は、瑞浪市窯業技術研究所の職員 大野万里子さんのお声がけにより、近隣の窯業関連事業者の皆さまにもご参加いただきました。

この記事では、デモ当日の様子とともに、瑞浪市窯業技術研究所の取り組み、そして瑞浪の窯業が歩んできた歴史とこれからについてご紹介します。

(取材時:2026年6月)

1. 美濃焼の産地・瑞浪。国内外から信頼されてきた歴史ある陶磁器のまち

美濃焼は、1400年以上の歴史を持つ陶磁器です。瑞浪市は、土岐市、多治見市、可児市などとともに、その産地を形成してきた地域のひとつです。瑞浪の陶磁器製品の品質を支えているのが、厳しい基準に応える技術力です。鉄粉を取り除くための粘土管理、精密な金型設計、焼成時の温度管理など、各工程での丁寧な品質管理が、白く美しい仕上がりと安定した品質、そして歩留まりの高さにつながっています。
こうした技術力は、洋食器の生産や海外への輸出、有名ブランド・大手メーカーの製品づくりを裏側から支えてきた歴史にも表れています。厳しい品質基準に応える陶磁器づくりの力が、国内外から信頼されてきました。

2. 瑞浪市窯業技術研究所の役割

瑞浪市窯業技術研究所は、地域の窯業関連事業者や作家を支える技術支援の拠点です。試験研究、技術相談、設備利用、商品開発の支援などを通じて、地元企業や作り手の課題解決を支えています。大野さんは、試験場の役割について、地域の事業者が困ったときに相談できる場所でありたいと話してくださいました。
陶磁器づくりには、原料、成形、乾燥、焼成、釉薬、品質管理など、多くの工程があります。事業者ごとに抱える課題も異なるため、現場に寄り添いながら、相談や試験、情報提供を行うことが大切になります。瑞浪市窯業技術研究所は、地域のものづくりを支える「相談窓口」として、長年にわたり産地を下支えしてきました。

3. 子どもたちから若手作家まで。産地を次世代につなぐ取り組み

瑞浪市では、小中学生を対象とした体験学習などを通じて、子どもたちが地場産業である陶磁器に触れる機会を大切にしています。
また、31年続く「児童生徒食器デザイン展」では、子どもたちが描いたデザインを実際の食器にし、優秀作品は給食食器のデザインに採用しています。一方で瑞浪市には、陶磁器づくりを学び、制作に取り組める環境もあり、若い作家志望の人たちが集まっています。そこから作家として活動する人も生まれており、なかには、ふるさと納税の返礼品として全国から注文が入る人気作家となった方もいるそうです。
子どもたちへの産業教育から、若手作家の育成、販路づくりまで。瑞浪では、歴史ある陶磁器産業を次の世代へつなぐ取り組みが広がっています。

4. 産地が抱える、後継者不足という課題

一方で、瑞浪をはじめとする美濃焼の産地は、長年、分業という産地構造によって成り立ってきました。ひとつの器が完成するまでには、成形、焼成、絵付け、加飾、検品、出荷など、さまざまな工程があります。その一つひとつに、専門の技術を持つ職人や事業者が関わってきました。

たとえば、取っ手だけを作る職人、金色の縁を塗る職人、特定の工程を専門に担う事業者など、一見目立たなくても欠かせない仕事があります。

しかし現在、こうした分業を支えてきた職人や小規模事業者の高齢化が進み、後継者不足も課題になっています。

5. デモ当日の様子

今回のデモでは、株式会社アイエスエイの「WD300シリーズ 陶磁器還元焼成統合管理システム」を使用し、陶磁器の焼成工程における温度や還元状態の管理・確認方法をご紹介しました。

大野さんのお声がけにより、当日は近隣の窯業関連事業者の方々も参加。画面に表示されるデータやシステムの動作を確認しながら、熱心に説明を聞いてくださいました。説明後には、実際の窯での使い方や既存設備への取り付け、記録できるデータなどについて、現場目線の具体的な質問が寄せられました。参加者同士の意見交換では、磁器土に混合する材質など、専門的な話題にも広がりました。

デモ終了後も意見交換は続き、最後は座談会のような和やかな雰囲気に。現場で使うからこその視点やご意見を伺うことができ、今後の製品改善や活用方法を考えるうえでも大変貴重な機会となりました。

6.WD300で確認できること 

WD300シリーズ「還元焼成を見える化するシステム」は、窯内部の温度2点、還元状態を示すCO濃度1点、外気温1点を同時に測定し、焼成状態をリアルタイムで把握できる構成です。

温度とCO濃度をあわせて確認することで、どの温度帯で還元が強くなったか、還元がどのくらい持続したか、還元状態がどのタイミングで変化したかを確認できます。成功した焼成条件を保存することで、発色の再現、焼成条件の比較、焼成研究にも活用できます。

7. 現場の声を聞きながら、よりよい製品へ

株式会社アイエスエイでは、今後も現場の声を大切にしながら、窯業をはじめとした製造現場で使いやすいシステムづくりに取り組んでまいります。

焼成に関わる温度や還元状態をデータとして計測・記録・蓄積することは、品質の安定だけでなく、職人や技術者が培ってきた経験や判断を次の世代へ伝えることにもつながります。長年受け継がれてきた技術と、これからの現場を支えるデジタル技術。その両方を大切にしながら、アイエスエイは、作業現場の環境安全性を担保するWBGT(暑さ指数)や一酸化炭素濃度を監視する機器など、現場に寄り添った製品づくりを進めてまいります。

【製品紹介】WD300シリーズ 陶磁器還元焼成統合管理システム

WD300シリーズは、陶磁器の還元焼成工程における温度や還元状態(一酸化炭素濃度)の管理を支援するシステムです。焼成時のデータを計測・記録することで、工程管理や品質確認、データの蓄積に活用ができ、既存設備や現場ごとの運用に合わせた使い方についても、今後さらに検証を進めてまいります。

株式会社アイエスエイでは、センサー、無線通信、クラウド技術を活用し、製造現場や施設管理の課題に応じた環境監視ソリューションを提供しています。

https://www.city.mizunami.lg.jp/

【ご協力ありがとうございました】

今回のデモ実施にあたり、瑞浪市役所 窯業技術研究所の大野万里子さんをはじめ、近隣の窯業関連事業者の皆さまに多大なるご協力をいただきました。貴重なお時間をいただき、また現場に基づく多くのご意見をお寄せいただき、誠にありがとうございました。

★大野様からのメッセージ★

地場産業である陶磁器について、品質管理や製品開発のサポートをしています。モノづくりのやりがいと楽しさをたくさんの方々に知っていただきたいです。

美濃焼の産地・瑞浪で、還元焼成管理の見える化について現場の声を伺いました

お客様プロフィール

瑞浪市 窯業技術研究所 様
所在地岐阜県瑞浪市上平町5丁目5番地の1
ホームページhttps://www.city.mizunami.lg.jp/sangyou_business/gijutsu_labo/